油の温度で変わる揚げ物の味

油の温度で変わる揚げ物の味

料理を知りたい

先生、油の温度って「低温」「中温」「高温」ってあるけど、どう見分けるんですか?

料理研究家

良い質問だね。一番簡単な方法は、衣を少し落としてみることだよ。沈んでゆっくり上がってきたら低温、途中まで沈んですぐ上がってきたら中温、ほとんど沈まずにすぐ上がってきたら高温だよ。

料理を知りたい

なるほど!衣以外に見分ける方法はありますか?

料理研究家

乾いた菜箸を油に入れてみて。細かい泡がゆっくり上がってきたら低温、少し大きめの泡がまっすぐ上がってきたら中温、たくさんの泡が勢いよく上がってきたら高温だよ。油はねに注意してね。

油の温度とは。

料理をする際、特に揚げ物をするときには油の温度が大切です。油の温度は「低い」「中間」「高い」の三段階で表し、それぞれ揚げるものによって使い分けます。油の温度の見分け方は、天ぷらの衣やパン粉を油に落としたときの様子や、乾いた菜箸を入れたときの泡の出方で判断できます。菜箸を使うときは、油がはねるので必ず乾いたものを使ってください。

低い温度(150~160度)では、衣は鍋底まで沈んでからゆっくり浮き上がります。菜箸からは細かい泡がふわっと出てきます。根菜など火が通りにくいものや、冷凍食品、じっくり火を通したいものを揚げるときに向いています。

中間の温度(170度くらい)では、衣は途中で浮き上がります。菜箸からは低い温度よりも少し大きな泡がまっすぐ出てきます。肉や魚の唐揚げ、フライ、野菜の天ぷら、焦げやすいフリッターなどを揚げるときに使います。

高い温度(180~190度)では、衣はあまり沈まずにすぐに浮き上がります。菜箸からはたくさんの泡が勢いよく出てきます。魚の天ぷらやフライ、コロッケなどに向いています。二度揚げするときにも高い温度を使います。

揚げるものや揚げ方によって適切な温度の油を使うことが、美味しく揚げるコツです。

油の温度の大切さ

油の温度の大切さ

揚げ物の出来を左右する重要な要素の一つに、油の温度管理があります。油の温度は、食材の仕上がり具合に直結するため、美味しい揚げ物を作るためには適切な温度を保つことが不可欠です。

温度が低いと、食材に火が通るまでに時間がかかり、衣が油を多く吸ってべちゃっとした仕上がりになってしまいます。また、内部まで火が通る前に衣が焦げてしまうこともあります。逆に、温度が高すぎると、衣はすぐに焦げる一方で、中は生焼けの状態になりかねません。衣の色は濃い茶色になり、見た目も美味しくありません。

理想的な揚げ上がりは、薄い黄色からきつね色に色づいた、サクサクとした軽い食感の衣と、中までしっかりと火が通ったジューシーな食材です。これを目指すには、それぞれの食材に適した温度で揚げることが重要になります。例えば、鶏の唐揚げであれば、170度から180度くらいが適温です。かき揚げのように、野菜を揚げる際は、160度から170度くらいのやや低めの温度でじっくりと揚げるのがおすすめです。

油の温度を測るには、専用の温度計を使うのが一番確実です。温度計がない場合は、菜箸の先を油に入れてみて、細かい泡がシュワシュワと上がってくる状態が160度から170度くらい、勢いよく泡が出てくる状態が170度から180度くらい、箸を入れた瞬間に勢いよく泡が上がる状態が180度以上と判断できます。

また、揚げている最中にも油の温度は変化するため、常に温度計で確認するか、箸を使って温度を確かめながら調整することが大切です。一度にたくさんの食材を入れると油の温度が急激に下がるため、少量ずつ揚げるようにしましょう。温度が下がりすぎた場合は、火力を上げて温度を調整します。焦げ付きそうになったら、火力を弱めるか、鍋を火から離して温度を下げましょう。このように、油の温度を適切に管理することで、誰でも美味しい揚げ物を作ることができます。

油の温度 揚げ上がりの状態 適した食材
低い 衣が油を吸ってべちゃっとする、衣が焦げる、中が生焼け
160~170℃ 薄い黄色~きつね色のサクサク衣
中まで火が通る
かき揚げなどの野菜
170~180℃ 薄い黄色~きつね色のサクサク衣
中まで火が通る
鶏の唐揚げ
180℃以上 衣がすぐに焦げる、中が生焼け
温度の測り方 状態 目安温度
温度計 正確な温度
菜箸 細かい泡がシュワシュワ 160~170℃
菜箸 勢いよく泡が出てくる 170~180℃
菜箸 入れた瞬間に勢いよく泡が上がる 180℃~
揚げる際の注意点 対処法
油の温度変化 温度計、菜箸で確認
少量ずつ揚げる
温度が低い 火力を上げる
焦げ付きそう 火力を弱める、鍋を火から離す

温度の見分け方

温度の見分け方

揚げ物を美味しく仕上げるためには、油の温度管理が欠かせません。温度は大きく分けて「低温」「中温」「高温」の三段階あり、揚げる食材によって適温が異なります。温度計があれば正確に測れますが、温度計がない場合でも、衣や菜箸を使って油の温度を見分けることができます。

まず、衣を使った見分け方です。衣を少量油に落とし、その沈み方と浮き上がり方で温度を判断します。鍋底まで沈んでからゆっくりと浮き上がってくる状態が低温(約150~160度)です。かき揚げや天ぷらなどの衣を厚くした食材をじっくり揚げたい時に適しています。衣が油の途中まで沈んで、比較的早く浮き上がってくる状態が中温(約170~180度)です。唐揚げやとんかつなど、衣が薄めの食材を揚げるのに最適です。衣がほとんど沈まずに、すぐに浮き上がってくる状態が高温(約180~190度)です。コロッケや串カツなど、火の通りが早い食材に向いています。

もう一つの方法は、菜箸を使った見分け方です。乾いた菜箸の先を油に入れ、気泡の大きさや上がり方で温度を判断します。菜箸を入れた時に細かい泡がゆっくりと上がってくる状態が低温少し大きめの泡がまっすぐと上がってくる状態が中温たくさんの大きな泡が勢いよく上がってくる状態が高温です。菜箸を使う際は、水分のついた菜箸を使うと油がはねるので、必ず乾いた菜箸を使うようにしましょう。

これらの方法で油の温度を見極め、食材に合った温度で揚げることで、カラッと美味しく仕上がります。衣の色づき具合を見ながら、火加減を調整することも大切です。焦げ付きを防ぎ、安全に揚げるためにも、温度管理には十分注意しましょう。

温度 温度計 衣の状態 菜箸の状態 適した食材
低温
(約150~160℃)
鍋底まで沈んでからゆっくりと浮き上がってくる 細かい泡がゆっくりと上がってくる かき揚げ、天ぷらなど
(衣が厚い食材)
中温
(約170~180℃)
油の途中まで沈んで、比較的早く浮き上がってくる 少し大きめの泡がまっすぐと上がってくる 唐揚げ、とんかつなど
(衣が薄めの食材)
高温
(約180~190℃)
ほとんど沈まずに、すぐに浮き上がってくる たくさんの大きな泡が勢いよく上がってくる コロッケ、串カツなど
(火の通りが早い食材)

低温での揚げ方

低温での揚げ方

揚げ物は高温でカラッと揚げるのが一般的と思われがちですが、低い温度でじっくり揚げる調理法も様々な利点があります。低い温度とは、具体的には150度から160度くらいを指します。この温度帯での揚げ物は、いくつかの食材で特に効果を発揮します。

まず、火の通りにくい根菜類です。ごぼうやれんこん、人参などの根菜は、中心まで火を通すのに時間がかかります。高温で揚げると、表面は焦げてしまうのに中はまだ生のまま、ということが起こりがちです。しかし、低い温度でじっくり揚げることで、表面を焦がすことなく、中心までじっくりと火を通すことができます。ホクホクとした食感に仕上がり、素材本来の甘みも引き立ちます。

次に、冷凍食品です。冷凍食品を高温でいきなり揚げると、表面だけが焦げてしまい、中はまだ凍ったまま、という失敗につながることがあります。低い温度で揚げ始め、徐々に温度を上げていくことで、冷凍状態の食材全体が均一に温まり、中までしっかりと火を通すことができます。衣の破裂や油はねを防ぐことにもつながります。

また、薄い衣で仕上げたい時にも、低い温度での揚げ物がおすすめです。高温で揚げると、衣がすぐに焦げてしまい、厚みが出てしまいます。低い温度でじっくり揚げることで、衣が薄く、きつね色に仕上がり、サクッとした軽い食感を楽しむことができます。まるで羽衣のような、繊細な衣をまとった揚げ物は、見た目にも美しく、食欲をそそります。

このように、低い温度での揚げ物は、食材や仕上がりの好みに合わせて使い分けることで、より美味しく、より安全に揚げ物を調理することができます。ぜひ、様々な食材で試してみてください。

食材 利点 結果
根菜類(ごぼう、れんこん、人参など) 表面を焦がすことなく、中心までじっくりと火を通す ホクホクとした食感、素材本来の甘み
冷凍食品 冷凍状態の食材全体が均一に温まる。衣の破裂や油はねを防ぐ 中までしっかりと火が通る
薄い衣で揚げたい場合 衣が薄く、きつね色に仕上がる サクッとした軽い食感、見た目にも美しい

中温での揚げ方

中温での揚げ方

中温で揚げる調理法は、およそ摂氏170度で食材を油で加熱する方法です。この温度帯は、様々な料理に適しており、食材の外側を香ばしく、内側を柔らかく仕上げるのに最適です。

例えば、鶏肉や白身魚などの唐揚げを作る際には、中温でじっくりと揚げることで、衣はきつね色にカラッと揚がり、中はふっくらとした食感に仕上がります。ひき肉を使ったメンチカツやコロッケも、中温で揚げることで、衣の焦げ付きを防ぎながら、中身にしっかりと火を通すことができます。

野菜の天ぷらも、中温での揚げ方がおすすめです。火が通りにくい根菜類でも、中温でじっくり揚げることで、中はホクホク、外はサクサクとした軽い食感に仕上がります。衣が薄い天ぷらは、高温で揚げるとすぐに焦げてしまうため、中温で丁寧に揚げることが重要です。

フリッターのように、衣が焦げやすい料理も、中温で揚げることで、美しいきつね色に仕上げることができます。衣に卵や牛乳、小麦粉などを混ぜて作るフリッターは、高温で揚げると表面だけが焦げてしまい、中身に火が通らないことがあります。中温でじっくりと揚げることで、衣全体が均一にきつね色に揚がり、中の具材にもしっかりと火が通ります。

揚げ物の色づき具合は、油から引き上げるタイミングを見極める重要な目安です。きつね色になった揚げ物は、油をしっかりと切って、余分な油を落としましょう。網に乗せて油を切ったり、キッチンペーパーで油を吸い取ったりすることで、より美味しく食べることができます。

このように、中温での揚げ物は、様々な料理に活用できる調理法です。食材の種類や特徴に合わせて、適切な温度と揚げ時間を調整することで、より美味しく仕上げることができます。ぜひ、色々な料理で試してみてください。

調理法 温度 効果 適用料理
中温揚げ 約170℃ 外側:香ばしく、内側:柔らかく
きつね色の衣、中身はふっくら
唐揚げ(鶏肉、白身魚)、メンチカツ、コロッケ、野菜の天ぷら、フリッター

高温での揚げ方

高温での揚げ方

{熱い油で揚げ物をカラッとおいしく仕上げるには、油の温度管理が重要です。}この高温揚げは、およそ一百度八十度から百九十度で行います。魚の天ぷらやフライ、コロッケなどに向いています。

高温で揚げる一番の利点は、衣がカラッと揚がることです。衣の水分が瞬時に蒸発することで、独特の軽い歯触りが生まれます。同時に、中の具材は、表面が素早く固まるため、うまみが中に閉じ込められます。そのため、中はふっくらと仕上がります。

二度揚げという調理法も、高温揚げの利点を活かした方法です。一度目は百七十度程度のやや低い温度でじっくりと火を通し、二度目は高温で短時間揚げることで、より一層カラッとした食感になり、見た目にも美しいきつね色に仕上がります。

高温で揚げる際の注意点として、焦げ付きやすいことが挙げられます。油の温度が高いと、あっという間に色が変わってしまうため、目を離さず調理する必要があります。菜箸で揚げ物の衣を少し持ち上げてみて、きつね色になったらすぐに油から引き上げましょう。油から引き上げた後も、余熱で火が通り続けるため、揚げ過ぎに注意が必要です。網に乗せて油を切ると、よりカラッとした仕上がりになります。

温度計を使うと、油の温度を正確に測ることができます。温度計がない場合は、菜箸の先を油に入れてみて、細かい泡がシュワシュワと静かに上がってきたら、百七十度程度です。泡が勢いよく上がってきたら、百八十度から百九十度程度です。このように菜箸を使って油の状態を確認することで、適切な温度で揚げることができます。

種類 温度 特徴 利点 注意点 その他
高温揚げ 180℃〜190℃ 衣がカラッと揚がる
  • 軽い歯触り
  • うまみが閉じ込められる
  • 中はふっくら
焦げ付きやすい 菜箸で衣を持ち上げてきつね色になったら引き上げる。網に乗せて油を切る。
二度揚げ 1回目:170℃程度
2回目:高温
よりカラッとした食感、きつね色の見た目 高温揚げの利点をさらに向上

まとめ

まとめ

揚げ物は、家庭で作るのが少し難しい料理の一つです。しかし、油の温度をしっかり管理することで、誰でも美味しくカラッと揚げることができます。油の温度は、揚げ物の出来栄えを左右する重要な要素です。温度が低いと衣がべとついたり、中まで火が通らなかったり、反対に温度が高すぎると表面だけが焦げてしまい、中が生焼けの状態になったりしてしまいます。

食材によって適した温度は異なり、大きく分けて低温、中温、高温の三段階があります。それぞれの温度帯の特徴を理解し、食材に合わせて使い分けることが大切です。低温(150~160度くらい)は、火の通りにくい厚みのある食材や、焦げやすい衣をまとった食材に向いています。じっくりと時間をかけて揚げることで、中まで火を通し、衣をきつね色に仕上げます。鶏の唐揚げなどは、この温度帯で揚げると良いでしょう。中温(170~180度くらい)は、野菜のかき揚げや天ぷらなど、比較的火の通りやすい食材に向いています。短時間でカラッと揚げることで、素材の水分を閉じ込め、食感良く仕上げます。高温(180~190度くらい)は、火の通りやすい薄切り肉や魚介類、あるいはすでに火が通っている食材を揚げる際に適しています。高温でさっと揚げることで、表面をカリッとさせ、香ばしく仕上げます。コロッケや串カツなどは、高温で揚げると良いでしょう。

温度計がない場合は、菜箸の先を油に入れてみて、泡の立ち具合で温度を判断する方法もあります。細かい泡がゆっくりと立ち上る場合は低温、少し大きめの泡が勢いよく立ち上る場合は中温、泡が激しく油面全体から立ち上る場合は高温です。また、衣を少し油に落としてみて、沈んですぐに上がってくる場合は低温、ゆっくり上がってくる場合は中温、すぐに表面に浮いて広がる場合は高温です。これらの方法で、おおよその温度を判断することができます。

揚げ物をするときは、焦げ付きや油はねにも注意が必要です。火加減を調整しながら、きつね色に色づいたら油から上げるのが良いでしょう。揚げたての香ばしい揚げ物は、格別な味わいです。様々な食材で、色々な揚げ物にぜひ挑戦してみてください。

温度 目安温度 泡の具合 衣の状態 適した食材 調理例
低温 150~160℃ 細かい泡がゆっくりと立ち上る 沈んですぐに上がってくる 火の通りにくい厚みのある食材、焦げやすい衣の食材 鶏の唐揚げ
中温 170~180℃ 少し大きめの泡が勢いよく立ち上る ゆっくり上がってくる 比較的火の通りやすい食材 野菜のかき揚げ、天ぷら
高温 180~190℃ 泡が激しく油面全体から立ち上る すぐに表面に浮いて広がる 火の通りやすい薄切り肉や魚介類、すでに火が通っている食材 コロッケ、串カツ