旨出汁・美味出汁:万能つゆの作り方と活用法
料理を知りたい
先生、「旨出汁」や「美味出汁」って、どういう意味ですか?カツオだしに醤油とみりんを合わせたものって書いてあるんですけど、それだけでどんな料理に使うのかとか、濃さはどのくらいなのかとか、よくわからないんです。
料理研究家
いい質問ですね。「旨出汁」や「美味出汁」は、鰹節から取っただしに、醤油とみりんを加えて味を調えたもののことです。うどんやそばつゆに使われる「かけ汁」くらいの濃さになっていることが多いですね。つまり、そのまま飲めるくらいの濃さです。
料理を知りたい
なるほど、かけ汁くらいの濃さなんですね。じゃあ、めんつゆみたいに、そのまま麺にかけて使うんですか?
料理研究家
麺類に使うこともありますが、煮物や炊き込みご飯の味付けに使ったり、おでんのだしとして使ったりもします。用途は幅広いんですよ。
旨出汁・美味出汁とは。
「料理」や「台所」に関する言葉である『旨みだし・うまいだし』(鰹節のだしに醤油とみりんを加えて味を調え、蕎麦つゆくらいの濃さにした合わせだし)について
出汁の種類
だしは、日本の食卓を支える大切なものです。素材が持つうまみを引き出し、料理全体の味わいを深める、なくてはならない存在です。だしには大きく分けて、昆布だし、かつおだし、合わせだしの三種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
昆布だしは、乾燥した昆布を水に浸し、じっくりと時間をかけてうまみを引き出すことで作られます。熱を加えすぎると、ぬめりが出て風味が損なわれるため、弱火でじっくりと温めるのがコツです。透き通った黄金色のだしは、上品な甘みと香りが特徴で、素材本来の味を活かしたい料理によく合います。煮物やお吸い物など、繊細な味わいを求める料理に最適です。
かつおだしは、かつお節を熱湯で煮出すことで作られます。かつお節特有の力強い香りと風味が特徴で、しっかりとした味わいの料理に最適です。麺類のつゆや、丼もの、炒め物など、幅広い料理に活用できます。香りを重視する場合は、削りたてのかつお節を使うのがおすすめです。
合わせだしは、昆布だしとかつおだしを合わせたもので、両方の良い点を持ち合わせています。昆布のうまみとかつおの香りが調和した、奥深い味わいが特徴です。割合を変えることで、料理に合わせて風味を調整できるのも魅力です。うどんやそばのつゆをはじめ、煮物、鍋物など、様々な料理に活用できます。市販の顆粒だしは手軽で便利ですが、時間がある時はぜひ、昆布やかつお節からだしを取ってみてください。自分でだしを取ることで、素材の持つ力強いうまみを存分に味わうことができ、料理の腕前も上がること間違いなしです。だしは奥が深いものです。色々なだしを試して、自分好みの味を見つけるのも料理の楽しみの一つです。
だし | 作り方 | 特徴 | 合う料理 |
---|---|---|---|
昆布だし | 乾燥昆布を水に浸し、じっくりとうまみを引き出す | 上品な甘みと香り、透き通った黄金色 | 煮物、お吸い物など繊細な味の料理 |
かつおだし | かつお節を熱湯で煮出す | 力強い香りと風味 | 麺類のつゆ、丼もの、炒め物など |
合わせだし | 昆布だしとかつおだしを合わせる | 昆布のうまみとかつおの香りが調和した奥深い味わい | うどん、そばのつゆ、煮物、鍋物など |
旨出汁・美味出汁の作り方
良いだしは、料理の味わいを大きく左右する大切なものです。 ここでは、素材の持ち味を最大限に引き出す、奥深く風味豊かな「旨出汁・美味出汁」の作り方をご紹介します。
まず、鰹節から一番出汁を取ります。鍋に水を入れ、火にかけます。沸騰する直前に鰹節を加えます。再び沸騰直前になったら火を弱め、鰹節が鍋底に沈むまで静かに待ちます。こうすることで、鰹節の旨味がじっくりと水に移ります。鰹節が沈んだら、清潔な布巾やキッチンペーパーを敷いた濾し器で丁寧に濾します。濾す際は、鰹節を強く絞らないように注意しましょう。雑味が出てしまい、澄んだ出汁が取れなくなってしまいます。
こうして得られた一番出汁を鍋に戻し入れ、中火にかけます。醤油とみりんを、基本の割合である11で加えます。お好みで、醤油を少し多めに加えても構いません。甘めの味付けがお好みの方は、みりんの量を調整してください。ただし、みりんを入れすぎると、味がぼやけてしまうため、注意が必要です。醤油とみりんを加えたら、沸騰する直前で火を止めます。煮立たせると、香りが飛んでしまい、せっかくの風味が損なわれてしまいます。
保存容器に移し、冷蔵庫で保管すれば、数日間は使うことができます。使う際は、鍋に移し替え、弱火で温めましょう。電子レンジで温めると、風味が変わりやすいので、鍋で温めることをおすすめします。
こうして丁寧に作られた旨出汁・美味出汁は、様々な料理に活用できます。煮物、お吸い物、茶碗蒸しなど、料理の味わいを格段に深めてくれるでしょう。ぜひ、お試しください。
手順 | ポイント |
---|---|
鰹節から一番出汁を取る |
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一番出汁に醤油とみりんを加える |
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保存と使用方法 |
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めん類への活用
旨味と香りが凝縮された出汁は、蕎麦やうどん、素麺といった様々な麺類のつゆに最適です。温かい麺類はもちろん、冷たい麺類にも相性抜群です。
蕎麦つゆとして使う場合は、鰹の香りが食欲を刺激し、風味豊かな一杯に仕上がります。鰹の繊細な風味を活かすため、出汁本来の味わいを大切にするのがおすすめです。熱々の蕎麦に、鰹の香りが漂うつゆを注ぎ込めば、体の芯から温まることでしょう。
うどんつゆに使う場合は、醤油を少し多めに加えて濃いめの味付けにすると、うどんのモチモチとした食感とよく絡みます。濃いめのつゆは、うどんにしっかりと味を染み込ませ、食べ応えのある一杯に仕上げます。お好みで、刻みネギや油揚げ、かまぼこなどの具材を加えるのも良いでしょう。
素麺つゆとして使う場合は、大根おろしや生姜などの薬味を加えることで、さっぱりとした味わいが楽しめます。暑い夏には、冷たいつゆでいただく素麺が格別です。大根おろしや生姜の爽やかな風味は、食欲を増進させ、夏の暑さを和らげてくれます。みょうがやネギなどの薬味もおすすめです。
また、つけつゆとして使う場合は、濃縮タイプにしたり、ネギや天かすなどの薬味を加えてアレンジするのも良いでしょう。濃いめのつけつゆは、麺の風味を引き立て、より一層美味しくいただけます。揚げ物や野菜の天ぷらを添えれば、さらに豪華な一品になります。
麺の種類や好みに合わせて、様々なアレンジを楽しみ、自分好みの味を見つけてみてください。出汁をベースにした麺つゆは、手軽に作れて美味しく、様々なアレンジが楽しめるので、ぜひ色々な組み合わせを試してみてください。
麺の種類 | つゆの特徴 | おすすめの具材/薬味 |
---|---|---|
蕎麦 | 鰹の香り豊か 出汁本来の味わい |
– |
うどん | 醤油を多めに加えて濃いめ | 刻みネギ、油揚げ、かまぼこ |
素麺 | 大根おろしや生姜でさっぱり | 大根おろし、生姜、みょうが、ネギ |
つけつゆ(共通) | 濃縮タイプ 薬味でアレンジ |
ネギ、天かす、揚げ物、野菜の天ぷら |
煮物への活用
煮物は、日本の食卓を彩る大切な一品であり、素材の持ち味をじっくりと引き出す調理法です。家庭料理の定番である肉じゃがや筑前煮をはじめ、季節の野菜を使った煮浸し、魚介の旨みを凝縮した煮付けなど、様々なバリエーションが存在します。そんな煮物作りに「旨出汁・美味出汁」を活用することで、さらに奥深い味わいを楽しむことができます。
「旨出汁・美味出汁」は、様々な食材との相性が抜群です。牛肉や豚肉、鶏肉を使った肉じゃがには、肉の風味をより一層引き立て、柔らかく仕上げる効果があります。鶏肉と根菜を甘辛く煮た筑前煮には、全体を調和させ、コクと深みを与えます。魚を煮付ける際には、魚の臭みを抑え、旨みを存分に引き出し、上品な味わいに仕上げます。また、旬の野菜を「旨出汁・美味出汁」でさっと煮る煮浸しは、野菜本来の甘みと旨みを最大限に引き出し、素材の持ち味をシンプルに味わえる一品です。
「旨出汁・美味出汁」を使った煮物は、いつもの味付けに一手間加えるだけで、格段に美味しくなります。基本的な調味料である砂糖、醤油、みりんと組み合わせることで、素材にしっかりと味が染み込み、ご飯が進むこと間違いなしです。砂糖の甘み、醤油の塩味、みりんの照り焼き効果が、「旨出汁・美味出汁」の旨みと相まって、絶妙なバランスを生み出します。また、「旨出汁・美味出汁」をベースにした煮汁を煮詰めれば、とろりとした濃厚なタレとなり、素材に絡んでより一層美味しさを引き立てます。
「旨出汁・美味出汁」は、肉、魚、野菜など、どんな食材にも合う万能調味料です。様々な食材と組み合わせ、自分好みの味付けを探求することで、煮物のレパートリーは無限に広がります。ぜひ、「旨出汁・美味出汁」を使って、ご家庭で本格的な煮物の味わいをご堪能ください。
食材 | 「旨出汁・美味出汁」の効果 | その他 |
---|---|---|
牛肉、豚肉、鶏肉(例:肉じゃが) | 肉の風味を引き立て、柔らかく仕上げる | 砂糖、醤油、みりんと組み合わせることで、ご飯が進む味付けに |
鶏肉と根菜(例:筑前煮) | 全体を調和させ、コクと深みを与える | |
魚(例:煮付け) | 魚の臭みを抑え、旨みを存分に引き出し、上品な味わいに | |
旬の野菜(例:煮浸し) | 野菜本来の甘みと旨みを最大限に引き出す | 素材の持ち味をシンプルに味わえる |
その他の活用
旨味たっぷりの出汁は、麺類や煮物以外にも、様々な料理で活躍します。いつもの料理に深みとコクをプラスしてくれる、まさに万能調味料と言えるでしょう。
丼物のたれに使うと、素材の味を引き立てつつ、奥行きのある味わいに仕上がります。例えば、カツ丼や親子丼のたれに旨味出汁を加えれば、いつもの丼物がワンランクアップすること間違いなしです。
茶碗蒸しを作る際にも、この出汁が大活躍します。卵液に旨味出汁を混ぜるだけで、上品で風味豊かな茶碗蒸しが出来上がります。また、おでんのだしとしても最適です。様々な具材から染み出る旨味と、出汁本来の旨味が合わさり、滋味深い味わいを楽しめます。
卵焼きを作る際に、卵液に旨味出汁を少し加えてみてください。ふんわりとした食感と、出汁の香りが食欲をそそる、絶品の卵焼きが出来上がります。また、炊き込みご飯の出汁として使うのもおすすめです。お米一粒一粒に旨味が染み渡り、噛むほどに美味しさが広がります。季節の野菜やきのこなどを加えて、彩り豊かに仕上げましょう。
鍋物にも、旨味出汁は欠かせません。肉や魚介、野菜など、どんな具材とも相性抜群です。素材本来の旨味を引き出し、滋味深い鍋に仕上げてくれます。少し濃いめに作った旨味出汁は、そのままお吸い物としても美味しくいただけます。
冷蔵庫に常備しておけば、日々の料理の幅がぐっと広がります。ぜひ、色々な料理で試して、旨味出汁の versatility を体感してみてください。
料理 | 旨味出汁の使い方 |
---|---|
丼物 (カツ丼、親子丼など) | たれに旨味出汁を加える |
茶碗蒸し | 卵液に旨味出汁を混ぜる |
おでん | だしとして使う |
卵焼き | 卵液に旨味出汁を少し加える |
炊き込みご飯 | 出汁として使う |
鍋物 | だしとして使う |
お吸い物 | 濃いめに作った旨味出汁をそのまま使う |