なめらか濃厚!クレームパティシエールの世界
料理を知りたい
先生、「クレームパティシエール」って、お菓子作りでよく聞く言葉ですが、どんなものですか?
料理研究家
良い質問だね。「クレームパティシエール」は、簡単に言うと、卵黄と牛乳、砂糖、小麦粉、そしてバニラなどで風味をつけた、とろりとしたクリームのことだよ。カスタードクリームと呼ぶこともあるね。
料理を知りたい
カスタードクリームと同じなんですか?プリンとかに使われている、あのカスタードクリームですか?
料理研究家
プリンにも使われるカスタードクリームと似ているけど、クレームパティシエールは、小麦粉が入っているので、より固めでしっかりとしたクリームだよ。シュークリームやミルフィーユなどに使われることが多いね。
crèmepâtissièreクレームパティシエールとは。
「料理」や「台所」に関する言葉である『クレームパティシエール』について。これはカスタードクリームのことです。
基本の作り方
お菓子作りに欠かせない、なめらかでコクのあるカスタードクリーム。正式名称はクレームパティシエールと言い、シュークリームやミルフィーユ、タルトなど、多くのお菓子に使われています。一見シンプルですが、奥深い味わいを出すには、いくつかのコツが必要です。まずは基本の作り方を丁寧に説明します。
最初にすることは、牛乳を温めることです。沸騰直前まで温めたら火を止めます。 温めている間に、別のボウルで卵黄と砂糖を白っぽくなるまですり混ぜます。泡立て器を使うと、なめらかで均一な仕上がりになります。卵黄と砂糖がしっかり混ざったら、ふるっておいた小麦粉またはコーンスターチを加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせます。この時、ダマにならないように丁寧に混ぜることが大切です。
次に、温めた牛乳を少しずつ加えていきます。一度にたくさんの牛乳を加えると、卵黄が固まってしまうため、少量ずつ加えながら、その都度よく混ぜ合わせましょう。滑らかな状態を保つことが、口当たりの良いクリームを作る秘訣です。牛乳が全て混ざったら、鍋に移し替えて弱火にかけます。焦げ付かないように、木べらで絶えずかき混ぜながら加熱していきます。とろみがつき、木べらで底をなぞった時に線が描ける状態になったら火を止めます。最後にバニラエッセンスやラム酒などで風味をつければ、香り高いカスタードクリームの完成です。粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やすと、より一層美味しくなります。出来立ての温かいクリームも、ひんやりと冷えたクリームも、それぞれ違った美味しさが楽しめます。ぜひ、様々なお菓子作りに活用してみてください。
とろみ加減の調整
お菓子作りにおいて、とろみ加減の調整は仕上がりに大きく影響します。特にカスタードクリームの一種であるクレームパティシエールは、とろみが重要な要素です。とろみが適切でなければ、口当たりや食感が損なわれるだけでなく、完成するお菓子全体の出来栄えにも関わってきます。目指すとろみ加減は、作るお菓子の種類によって異なります。例えば、シュークリームでは、生地の中にしっかりと詰めるため、ある程度の固さが必要です。クリームが柔らかすぎると、生地から流れ出てしまう可能性があります。一方、ミルフィーユでは、サクサクのパイ生地と滑らかなクリームの組み合わせが美味しさを引き立てるため、とろりとした柔らかいクリームが適しています。
クレームパティシエールのとろみ加減は、主に加熱時間と粉の量で調整します。加熱時間を長くする、あるいは粉の量を増やすと、とろみが強くなります。反対に、加熱時間を短くする、あるいは粉の量を減らすと、とろみが弱くなります。火加減も重要です。強火で加熱すると、部分的に焦げ付きやすく、滑らかな仕上がりになりません。弱火でじっくり加熱することで、全体に均一な熱が加わり、なめらかで艶のあるクリームを作ることができます。
とろみを付けるための粉の種類も、仕上がりに影響を与えます。一般的には小麦粉やコーンスターチが用いられます。コーンスターチは、小麦粉に比べて透明感があり、より滑らかな仕上がりになります。小麦粉を使う場合は、粉っぽさを無くすために、しっかりと加熱することが大切です。ダマにならないように、粉類はあらかじめ少量の牛乳で溶いておくのも良いでしょう。
最適なとろみ加減は、レシピを参考にするだけでなく、実際に作ってみて自分の感覚を掴むことが大切です。何度か試作を繰り返す中で、自分の好みのとろみ、そして作るお菓子に最適なとろみが分かるようになります。焦らずじっくりと練習することで、思い通りのとろみが実現できるようになるでしょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
とろみ加減の重要性 | お菓子の仕上がり(口当たり、食感)に大きく影響する |
お菓子の種類による違い | シュークリーム:固め ミルフィーユ:柔らかめ |
とろみの調整方法 | 加熱時間、粉の量、火加減 |
粉の種類 | 小麦粉:とろみがつきやすい コーンスターチ:透明感、滑らか |
最適なとろみ | レシピと経験から判断 |
風味の広がり
カスタードクリーム、クレームパティシエールは、卵と牛乳、砂糖を温めながら混ぜて作る、お菓子作りでは基本となるクリームです。その滑らかな舌触りと優しい甘さは、誰からも好まれています。バニラビーンズで風味をつけた、いわゆるバニラカスタードは定番ですが、クレームパティシエールは、実に様々な味わいへの変化を楽しむことができます。
例えば、溶かしたチョコレートを加えれば、濃厚で深いコクを持つチョコレートクリームになります。カカオの豊かな香りと、カスタード本来のまろやかさが合わさって、贅沢な味わいが口の中に広がります。温めた牛乳にコーヒー豆を浸して風味を移し、その牛乳でカスタードを作れば、香り高い大人のコーヒーカスタードに仕上がります。コーヒーのほろ苦さとカスタードの甘さは相性抜群です。
また、旬の果物のピューレを加えるのもおすすめです。苺、桃、マンゴーなど、お好みの果物でフルーティーなカスタードを作ることができます。果物の甘酸っぱさが加わることで、爽やかな味わいのクリームになります。特に、柑橘系の果物の皮をすりおろして加えると、爽やかな香りがより一層引き立ちます。レモンやオレンジ、柚子など、季節に合わせて色々な柑橘類を試してみるのも良いでしょう。
さらに、ラム酒やブランデーなどのお酒を加えることで、ぐっと大人の味わいに変化します。お酒の芳醇な香りがカスタードの風味をより豊かにし、奥深い味わいを生み出します。
このように、クレームパティシエールは、加える材料によって様々な風味にアレンジすることができます。自分好みの材料を組み合わせ、オリジナルのクレームパティシエールを開発するのも、お菓子作りの楽しみの一つと言えるでしょう。ぜひ、色々な風味に挑戦して、自分だけのとっておきの味を見つけてみてください。
材料 | 説明 |
---|---|
チョコレート | 溶かしたチョコレートを加えることで、濃厚で深いコクを持つチョコレートクリームになります。 |
コーヒー | 温めた牛乳にコーヒー豆を浸して風味を移した牛乳でカスタードを作ると、香り高い大人のコーヒーカスタードになります。 |
果物のピューレ | 苺、桃、マンゴーなど、お好みの果物でフルーティーなカスタードを作ることができます。 |
柑橘系の果物の皮 | レモンやオレンジ、柚子など、季節に合わせて色々な柑橘類を加えることで爽やかな香りが引き立ちます。 |
お酒(ラム酒、ブランデーなど) | 芳醇な香りがカスタードの風味をより豊かにし、奥深い味わいを生み出します。 |
保存方法
手をかけて作ったなめらかなクレームパティシエール、せっかくなら美味しく保存して、長く味わいたいですよね。保存のコツを掴めば、風味を損なわず、より長く楽しめます。
冷蔵保存の場合、清潔な保存容器を選びましょう。ガラスやプラスチック製の密閉容器がおすすめです。熱いまま入れると水滴が発生し、雑菌が繁殖する原因となりますので、必ずよく冷ましてから容器に移してください。クレームパティシエールの表面は乾燥しやすく、風味が落ちてしまうため、ぴったりとラップを密着させるのが大切です。空気が入らないように、表面に直接触れるように丁寧に覆いましょう。冷蔵庫で3日ほど美味しく食べられますが、なるべく早く使い切るのが理想です。
冷凍保存も可能です。冷蔵保存と同じように、よく冷ましたクレームパティシエールを、冷凍用の保存袋もしくは密閉容器に入れます。空気をしっかりと抜き、平らにして冷凍庫へ。こうすることで、解凍時間を短縮し、均一に解凍することができます。冷凍保存は約1ヶ月可能です。解凍する際は、冷蔵庫に移してゆっくりと解凍するのがおすすめです。解凍後、少し分離している場合は、泡立て器で優しく混ぜて滑らかさを戻しましょう。ただし、冷凍すると風味や食感が多少変化してしまうことは覚えておきましょう。解凍後はなるべく早く使い切り、再冷凍は避けてください。
保存状態に気を配り、風味豊かなクレームパティシエールを、様々な場面で楽しんでください。
保存方法 | 容器 | 手順 | 保存期間 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
冷蔵 | ガラス/プラスチック製密閉容器 | 1. よく冷ます 2. ラップを密着させる |
3日(なるべく早く) | 表面の乾燥に注意 |
冷凍 | 冷凍用保存袋/密閉容器 | 1. よく冷ます 2. 空気を抜いて平らにする |
約1ヶ月 | 風味・食感の変化、再冷凍不可 |
お菓子への応用
お菓子作りに欠かせない万能クリーム、カスタードクリーム。正式名称をクレームパティシエールと言い、様々な場面で活躍します。定番のシュークリームやエクレアの中身はもちろん、ミルフィーユの層にも欠かせません。パイ生地に流し込んで焼き上げたタルトや、スポンジでサンドしたケーキにも使え、お菓子作りにはなくてはならない存在です。
カスタードクリームは、クレープの具材としても人気です。焼きたてのクレープに包んだり、何層にも重ねたクレープの間に挟んだりすれば、見た目も華やかな一品になります。パンケーキやワッフルにもよく合います。焼きあがった生地の上にたっぷりと添えれば、風味豊かなデザートの完成です。彩り豊かにフルーツを添えれば、見た目もさらに美しくなります。
カスタードクリームは、そのまま使うだけでも十分美味しいですが、他の材料と組み合わせることで、さらに可能性が広がります。例えば、泡立てた生クリームと混ぜ合わせれば、軽い口当たりのディプロマットクリームに。このクリームは、ショートケーキのデコレーションや、ロールケーキのフィリングに最適です。また、メレンゲと合わせれば、コクのあるムースリーヌクリームを作ることができます。こちらは、デコレーションケーキの仕上げや、タルトのフィリングとして使うと、より上品な仕上がりになります。
このように、カスタードクリームはアレンジ次第で様々な表情を見せてくれます。基本の作り方をマスターすれば、お菓子作りの幅が大きく広がるでしょう。ぜひ色々なレシピに挑戦して、カスタードクリームの魅力を再発見してみてください。
カスタードクリームの用途 | アレンジ例 |
---|---|
シュークリーム、エクレア、ミルフィーユ、タルト、ケーキなど | そのまま使用 |
クレープ、パンケーキ、ワッフルなど | フルーツを添える |
ショートケーキ、ロールケーキなど | 生クリームと混ぜてディプロマットクリームに |
デコレーションケーキ、タルトなど | メレンゲと混ぜてムースリーヌクリームに |