ざっくり切る技術:コンカッセの魅力
料理を知りたい
先生、「コンカッセ」ってどういう意味ですか?料理の本でよく見かけるんですけど、いまいちよく分からなくて。
料理研究家
いい質問だね。「コンカッセ」は、野菜などをさいの目状に粗く刻むことをいうんだよ。例えば、トマトのコンカッセは、皮と種を取り除いて、だいたい1cm角くらいに刻んだものだね。
料理を知りたい
なるほど!1cm角くらいに切るんですね。じゃあ、みじん切りとは違うんですか?
料理研究家
そうだよ。みじん切りはもっと細かく刻むのに対して、コンカッセは粗く刻むから、野菜の形や食感が残るのが特徴なんだ。だから、サラダやソースなどに使うと、見た目も食感もいいアクセントになるんだよ。
concasserコンカッセとは。
「料理」や「台所」で使われる言葉「コンカッセ」について。コンカッセとは、ざっくりと刻む調理方法のことです。
コンカッセとは
コンカッセとは、フランス語で「粗く刻む」という意味を持つ調理用語です。主に野菜を、1センチ角ほどの大きさに揃えて切ることを指します。みじん切りほど細かくなく、素材本来の持ち味をしっかりと感じられるのが特徴です。
この切り方は、野菜の美味しさを最大限に引き出すための工夫と言えます。例えば、トマトをコンカッセにすると、加熱した際に水分と旨味がほどよく溶け出し、煮込み料理やソースに深みを与えます。また、生のままでも、サラダやサルサに混ぜ込むことで、フレッシュな風味と心地よい食感をプラスしてくれます。
香味野菜をコンカッセにするのもおすすめです。玉ねぎ、人参、セロリなどを同じ大きさに刻むことで、スープやドレッシングの香りがより一層引き立ちます。刻んだ野菜は、火の通りも均一になり、見た目にも美しい仕上がりになります。
コンカッセは、大きさの目安が1センチ角であるとはいえ、厳密な決まりはありません。料理の種類や好みに合わせて、多少大きさを変えても構いません。大切なのは、なるべく同じ大きさに揃えることです。そうすることで、火の通り具合や味の染み込み方が均一になり、より美味しく仕上がります。また、見た目にも美しく、食欲をそそるでしょう。
少しの手間を加えるだけで、料理の味が格段に向上するのがコンカッセの魅力です。いつもの料理に、ぜひ取り入れてみてください。
用語 | 意味 | 大きさ | 特徴 | 用途 |
---|---|---|---|---|
コンカッセ | フランス語で「粗く刻む」 | 約1cm角 | 素材本来の持ち味、 加熱時:水分と旨味、 生:フレッシュな風味と食感、 香り、 火の通り均一、 見た目美しい |
煮込み料理、ソース、サラダ、サルサ、スープ、ドレッシングなど |
コンカッセとみじん切りの違い
包丁を使う料理の基本となる切り方に、みじん切りとコンカッセがあります。どちらも食材を細かく切る技法ですが、その仕上がりや料理での役割は大きく異なります。まず、みじん切りは食材をとても細かく刻む切り方です。目指す大きさはだいたい3ミリから5ミリ角ほど。細かく刻むことで、食材そのものの形はほぼ見えなくなり、加熱するととろけるような舌触りになります。この特徴から、みじん切りは食材の風味を料理全体に均一に広げるのに役立ちます。例えば、カレーやミートソースを作る際に玉ねぎをみじん切りにすることで、玉ねぎの甘みが全体にじんわりと広がり、味に深みを与えます。また、ハンバーグのタネにみじん切りにした玉ねぎを加えることで、肉汁を閉じ込め、ふっくらとした食感に仕上げることができます。
一方、コンカッセはみじん切りよりも粗く刻む切り方です。目安となる大きさは1センチ角ほど。このため、食材の形や色合いがしっかりと残り、料理に彩りを添えます。また、加熱しても程よい食感が残り、料理にアクセントを加えます。例えば、ミネストローネなどのスープにコンカッセにしたトマトを加えると、トマトの赤色が見た目にも美しく、食べ応えも増します。また、ラタトゥイユなどの煮込み料理にコンカッセにした野菜を加えると、それぞれの野菜の食感と風味が際立ち、より複雑で奥深い味わいになります。このように、みじん切りとコンカッセは、食材の風味や食感を活かすそれぞれ異なる役割を持っています。料理によって使い分けることで、より美味しく、見た目にも美しい料理に仕上げることができます。
項目 | みじん切り | コンカッセ |
---|---|---|
大きさ | 3-5mm角 | 1cm角 |
仕上がり | 食材の形が見えない、とろける舌触り | 食材の形が残る、程よい食感 |
役割 | 風味を均一に広げる、肉汁を閉じ込める | 彩りを添える、食感のアクセント |
料理例 | カレー、ミートソース、ハンバーグ | ミネストローネ、ラタトゥイユ |
トマトのコンカッセの作り方
真っ赤に熟したトマトを、美味しく便利に使える形にするのが「トマトのコンカッセ」です。様々な料理に彩りと風味を添えるだけでなく、食感も楽しめるこの下ごしらえは、覚えておくと大変重宝します。
まずは、トマトの準備から始めましょう。トマトをよく洗い、ヘタの部分を包丁の先でくり抜きます。次に、湯むきという作業でトマトの皮を剥きます。沸騰したお湯にトマトを十数秒ほど浸けたら、すぐに冷水に取ります。すると、皮と実の間に隙間ができ、ツルンと皮が剥けるはずです。指で優しく剥いても良いですし、包丁で軽く切れ目を入れてから剥いても構いません。
皮を剥いたトマトは、まな板の上で半分に切ります。スプーンを使って、種と周りのゼリー状の部分を丁寧にくり抜きましょう。この部分は水分が多く、コンカッセに加えると食感が水っぽくなってしまうため、必ず取り除きます。くり抜いた種の部分は、スープの出汁などに活用できますので、捨てずに取っておくと良いでしょう。
いよいよコンカッセに仕上げる工程です。まな板の上でトマトを安定させ、1センチ角程度の大きさに切っていきます。あまり細かく切りすぎると、煮崩れしやすくなってしまうので注意が必要です。大きさを揃えることで、見た目も美しく、火の通りも均一になります。
こうして完成したトマトのコンカッセは、様々な料理に活用できます。例えば、パスタソースやスープ、サラダに加えれば、風味と彩りをプラスしてくれます。また、ミネストローネやラタトゥイユなどの煮込み料理にも最適です。冷蔵庫で数日間保存可能ですので、作り置きしておくと、忙しい時にも手軽に利用できます。使う直前に加えることで、フレッシュなトマトの風味を最大限に楽しめます。ぜひ、鮮やかな赤い色のトマトを使って、美味しいコンカッセを作ってみてください。
工程 | 説明 | ポイント |
---|---|---|
トマトの準備 | トマトを洗い、ヘタを取り除く。 | |
湯むき | 沸騰したお湯にトマトを十数秒浸け、冷水に取ることで皮を剥く。 | 皮と実の間に隙間ができる。 |
種とゼリー状部分の除去 | トマトを半分に切り、スプーンで種とゼリー状の部分を取り除く。 | 水分が多く食感が水っぽくなるため、必ず取り除く。種はスープの出汁などに活用できる。 |
コンカッセ | トマトを1センチ角に切る。 | 細かく切りすぎると煮崩れしやすい。大きさを揃えることで見た目も美しく、火の通りも均一になる。 |
活用と保存 | パスタソース、スープ、サラダ、ミネストローネ、ラタトゥイユなどに活用。冷蔵庫で数日間保存可能。 | 使う直前に加えることでフレッシュな風味を楽しめる。 |
香味野菜のコンカッセ
香味野菜のコンカッセは、料理に欠かせない基本的な調理技術であり、料理全体の風味を格段に向上させる重要な役割を担います。 みじん切りよりもやや大きめに切ることで、野菜本来の持ち味を最大限に引き出し、スープや煮込み料理などに奥行きのある風味を与えます。
コンカッセに用いる香味野菜は、玉ねぎ、人参、セロリが代表的です。まず、これらの香味野菜を流水で丁寧に洗い、皮を剥きます。玉ねぎは上下を切り落とし、縦半分に切ると皮が剥きやすくなります。人参は皮むき器を使って薄く皮を剥き、セロリは筋があれば取り除きましょう。
野菜を切るときは、まず、それぞれの野菜を薄切りにします。厚さは5ミリ程度を目安に均一に切ることが大切です。次に、切った野菜を重ねて、繊維に垂直に細切りにします。最後に、直角に方向を変えて、1センチ角程度の大きさに切り揃えます。 大きさを揃えることで、火の通りが均一になり、野菜の甘みや香りがバランス良く抽出されます。
香味野菜のコンカッセは、様々な料理に応用できます。 スープやシチュー、カレーなどの煮込み料理に加えることで、野菜の旨味が溶け出し、コクのある深い味わいに仕上がります。また、ハンバーグやミートソースなどのひき肉料理に混ぜ込んだり、炒め物やソースのベースとして使ったりしても、風味を豊かにすることができます。
コンカッセは多めに作って冷凍保存することも可能です。 使いたい分量ずつ小分けにして冷凍保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫で保存します。冷凍保存したコンカッセは、解凍せずにそのまま料理に使うことができます。時間のある時にまとめて作っておけば、日々の料理の時短にもなりますので、ぜひ活用してみてください。
工程 | 説明 |
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材料 | 玉ねぎ、人参、セロリ |
下処理 | 香味野菜を洗い、皮を剥く。玉ねぎは上下を切り落とし、縦半分に切る。人参は皮むき器で皮を剥く。セロリは筋を取り除く。 |
カット | 1. 野菜を5mm程度の厚さに薄切りにする。 2. 薄切りにした野菜を重ね、繊維に垂直に細切りにする。 3. 最後に、直角に方向を変えて1cm角に切り揃える。 |
活用例 | スープ、シチュー、カレー、ハンバーグ、ミートソース、炒め物、ソース |
保存方法 | 多めに作って冷凍保存可能。使いたい分量ずつ小分けにして冷凍保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫で保存する。解凍せずにそのまま料理に使える。 |
コンカッセで料理の腕を上げよう
同じ大きさに刻むことで、火の通り方が均一になり、見た目も美しく、食感のバランスも整います。これが、コンカッセと呼ばれる技法です。一見簡単そうに見えますが、実は料理の腕を上げるための重要な技術です。
コンカッセは、様々な食材に活用できます。特にトマトはコンカッセの代表的な食材と言えるでしょう。皮と種を取り除き、果肉だけを均一に刻むことで、フレッシュな風味と食感を存分に楽しめます。このトマトコンカッセをパスタソースに加えれば、まるで太陽の恵みを閉じ込めたような、爽やかな味わいが加わります。また、刻んだ玉ねぎや人参などの香味野菜をコンカッセにしてスープに加えれば、野菜の甘みと香りがスープ全体に広がり、奥深い味わいが生まれます。
コンカッセは他の調理法と組み合わせることで、さらにその真価を発揮します。例えば、コンカッセにした野菜をじっくりと炒めれば、野菜本来の甘みが凝縮され、香ばしい香りが食欲をそそります。また、コンカッセにしたきのこを煮込めば、きのこの旨味が溶け出し、滋味深い味わいが楽しめます。肉や魚介と一緒にコンカッセにした野菜を煮込むことで、素材の持ち味を引き立てつつ、彩り豊かで見た目にも美しい料理に仕上がります。
コンカッセは、料理の幅を広げるだけでなく、創造性を刺激する技術でもあります。同じ食材でも、コンカッセの大きさや形を変えるだけで、食感や味わいに変化が生まれます。また、コンカッセにした食材を他の調理法と組み合わせることで、無限のバリエーションを生み出すことができます。ぜひ、コンカッセを積極的に活用し、自分だけのオリジナル料理に挑戦してみてください。きっと、料理の楽しさがさらに広がることでしょう。
コンカッセのメリット | コンカッセの活用例 | コンカッセと他の調理法の組み合わせ | コンカッセによる創造性の向上 |
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火の通り方が均一、見た目も美しく、食感のバランスも整う | トマト:皮と種を取り除き、果肉だけを均一に刻む 香味野菜:玉ねぎや人参などを刻んでスープに加える |
炒める:野菜本来の甘みが凝縮、香ばしい香り 煮込む:きのこの旨味、肉や魚介の持ち味を引き立てる、彩り豊かに |
大きさや形を変えることで食感や味わいに変化 他の調理法との組み合わせで無限のバリエーション |