
煮切り:旨味を引き出す技
煮切りとは、みりんや日本酒といったお酒に火を入れて、含まれるアルコール分を飛ばす調理方法です。アルコールが抜けることで、素材そのものが持つ風味と旨みがぎゅっと凝縮されます。また、とろみがついて甘みや香りが増し、まろやかな味わいになります。
和食では、煮切ったみりんや日本酒は調味料として欠かせません。煮物や照り焼き、和え物、酢の物など、様々な料理に使われ、奥深い味わいを生み出します。アルコールの独特な香りが飛ぶので、お子さんやお酒が苦手な方にも安心して召し上がっていただけます。
家庭でも簡単に煮切りを作ることができます。例えば、みりんを煮切る場合は、小鍋にみりんを入れ、中火にかけます。沸騰したら弱火にし、アクが出てきたら丁寧にすくい取ります。とろみがつき、量が半分くらいになるまで煮詰めます。目安としては、みりん大さじ3杯なら、弱火で2~3分程度です。焦げ付かないように注意しながら、火加減を調整することが大切です。保存容器に移し、冷蔵庫で保管すれば、約2週間日持ちします。
日本酒の場合もみりんと同様の方法で煮切ることができます。日本酒の種類によって風味や香りが異なるため、料理に合わせて使い分けるのも良いでしょう。例えば、香りが豊かな吟醸酒は、魚介類の煮物や和え物に、コクのある純米酒は、肉料理や煮物に合うでしょう。
煮切りは、いつもの料理をワンランク上の味に仕上げるまさに隠し味です。ぜひ、日々の料理に取り入れて、その効果を実感してみてください。