油抜きで料理上手に!
料理を知りたい
先生、『油抜き』ってどういう意味ですか?揚げ物を油で揚げてるのに、どうして油を抜く必要があるんですか?
料理研究家
いい質問ですね。油抜きとは、油揚げや厚揚げなど、既に油で揚げてある食品の表面についている余分な油を取り除く作業のことです。揚げ物を作る際に、食品は既に油を十分に吸っています。油抜きをすることで、料理全体が油っぽくなりすぎるのを防ぎ、さっぱりとした仕上がりになるんですよ。
料理を知りたい
なるほど。でも、油で揚げてあるのに、さらに油を落とすのは少しもったいないような気がしませんか?
料理研究家
確かにそう思うかもしれませんね。でも、油抜きをすることで、揚げ物のくどさを抑え、素材本来の味を引き立てる効果があるんです。また、油の酸化による臭みも取れるので、より美味しく食べられますよ。油抜きは、無駄を省くためではなく、より美味しく食べるための工夫なんです。
油抜きとは。
油で揚げた食品、例えば油揚げや厚揚げ、がんもどきなどについている油を落とすことを『油抜き』といいます。熱いお湯にさっとくぐらせたり、ざるに入れて上から熱いお湯をかけたりすることで油を落とします。こうすることで余分な油や独特のにおいが取れ、料理が油っぽく、くどく仕上がるのを防ぎます。
油抜きの大切さ
油揚げや厚揚げ、がんもどきといった、豆腐を油で揚げた食品は、そのまま調理に使うと、どうしても料理全体が油っぽく、重たい味わいになってしまうことがあります。そこで重要になるのが「油抜き」です。油抜きとは、これらの食品に含まれる過剰な油を取り除く作業のことです。この一手間を加えるだけで、料理全体の味が驚くほど向上します。油っぽさが抑えられるだけでなく、素材本来の旨味もぐっと引き立ち、より美味しく仕上がります。
油抜きの方法はいくつかあります。熱湯をかけるのが最も手軽な方法です。油揚げや厚揚げを熱湯にさっとくぐらせる、または上から熱湯をたっぷりとかけることで、表面の油を洗い流すことができます。がんもどきは、崩れやすいので、熱湯を優しくかけるようにしましょう。熱湯をかけることで、油だけでなく、油揚げ特有の臭みも軽減できます。
時間がある場合は、鍋に湯を沸かし、数分間茹でる方法もおすすめです。茹でることで、よりしっかりと油が抜け、味が染み込みやすくなります。特に、煮物に使う場合は、茹でる方法が適しています。
電子レンジを使う方法もあります。耐熱皿に油揚げや厚揚げを乗せ、ふんわりとラップをかけて加熱します。加熱時間は、電子レンジの出力によって調整が必要ですが、500Wで1分ほどが目安です。電子レンジを使う場合は、油がはねる可能性があるので、ラップはしっかりと覆いましょう。
油抜きした油揚げや厚揚げは、煮物やお味噌汁、炒め物など、様々な料理に活用できます。油抜きすることで、だしや調味料の味がよく染み込み、素材そのものの美味しさを存分に味わうことができます。また、油っぽさが軽減されるため、あっさりとした上品な仕上がりになります。
ちょっとした一手間である油抜きですが、料理全体のクオリティを大きく左右します。ぜひ、色々な油抜きの方法を試して、ご自身の調理スタイルに合った方法を見つけてみてください。毎日の料理がワンランクアップすること間違いなしです。
油抜き方法 | 説明 | メリット | 注意点 | 適した料理 |
---|---|---|---|---|
熱湯をかける | 油揚げや厚揚げを熱湯にさっとくぐらせる、または上から熱湯をたっぷりとかける。がんもどきは優しくかける。 | 手軽、油と臭み軽減 | – | 煮物、味噌汁、炒め物など |
茹でる | 鍋に湯を沸かし、数分間茹でる。 | 油がしっかり抜ける、味が染み込みやすい | – | 煮物 |
電子レンジ | 耐熱皿に油揚げや厚揚げを乗せ、ふんわりとラップをかけて加熱(500Wで1分ほど) | – | 油はね注意、ラップはしっかり覆う | 煮物、味噌汁、炒め物など |
油抜きの具体的な方法
油をほどよく抜くことは、料理をおいしく仕上げるための大切な技です。油のしつこさを抑え、素材本来の味を引き立てるだけでなく、カロリーを抑えることにもつながります。油抜きには、主に二つの方法があります。
一つ目は、たっぷりの熱湯に食品をくぐらせる方法です。鍋に湯を沸かし、油抜きしたい食材を数秒間くぐらせます。この時、あまり長時間熱湯につけすぎると、せっかくの旨味や栄養まで流れ出てしまうので気をつけましょう。油揚げや厚揚げなどの厚みのある食材の場合は、箸で軽く押さえるようにして油を絞り出すと、より効果的に油が抜けます。
二つ目は、ざるに食品を乗せて、上から熱湯を回しかける方法です。ざるを使うことで、油が流れ落ちやすくなります。この方法は、がんもどきのような崩れやすい食材に向いています。熱湯を全体に満遍なくかけるように意識しましょう。食材が熱湯に浸かりすぎないように注意することで、食感を損なうことなく油を落とすことができます。
どちらの方法でも、熱湯を使うことで油が溶け出しやすくなり、短時間で油抜きが完了します。熱湯の温度や食材を湯につける時間、食材を絞る力加減は、素材の厚さや種類によって調整が必要です。例えば、薄い油揚げは熱湯にくぐらせるだけで十分ですが、厚揚げは少し長めに湯につけたり、軽く絞ったりする必要があります。がんもどきは、崩れやすいので優しく扱うことが大切です。慣れるまでは、様子を見ながら少しずつ調整していくのが良いでしょう。焦らず丁寧に油抜きをすることで、よりヘルシーで風味豊かな料理を楽しむことができます。
方法 | 説明 | メリット | 注意点 | 適した食材 |
---|---|---|---|---|
熱湯くぐらせ | 鍋に湯を沸かし、油抜きしたい食材を数秒間くぐらせる。厚みのある食材は箸で押さえる。 | 短時間で油抜きできる。 | 長時間つけすぎると旨味や栄養が流れ出る。 | 油揚げ、厚揚げなど |
熱湯回し掛け | ざるに食品を乗せて、上から熱湯を回しかける。 | 油が流れ落ちやすい。食感を損なうことなく油を落とせる。 | 食材が熱湯に浸かりすぎないように注意。 | がんもどきなど崩れやすい食材 |
油抜きによる効果
油抜きは、料理の味わいを大きく左右する、大切な下ごしらえです。余分な油を取り除くことで、料理は驚くほど変化します。まず、一番に感じる効果は、油っぽさが抑えられ、さっぱりとした味わいになることです。油の重たい感じがなくなり、食材そのものの持ち味や香りが際立ち、より繊細な風味を楽しむことができます。
例えば、鶏肉を調理する場合を考えてみましょう。鶏皮には多くの油が含まれています。油抜きをせずに調理すると、どうしても油っぽく、重たい仕上がりになってしまいます。しかし、熱湯をかける、あるいはキッチンペーパーで丁寧に拭き取るといった油抜きのひと手間を加えるだけで、鶏肉のくさみも抑えられ、驚くほど味がすっきりとするのです。
また、煮物を美味しく仕上げる上でも、油抜きは重要な役割を果たします。食材の表面に油が付着していると、調味料がうまく浸透せず、味が均一になりません。油で覆われた表面は、まるでバリアのように調味料をはじいてしまうからです。油抜きをすることで、このバリアを取り除き、味が食材の中までしっかりと染み込み、ムラなく味が馴染むようになります。味がしっかりと染み込んだ煮物は、一口食べればその違いがはっきりと分かります。
さらに、油抜きは料理の見た目にも変化を与えます。油で揚げた食材は、油抜きをすることで色が少し薄くなり、見た目にもさっぱりとした印象になります。例えば、油で揚げたナスは、油抜きをすることで濃い紫色から少し淡い紫色へと変化し、見た目にも軽やかになります。特に、薄味の料理を作る際には、油抜きをすることで全体のバランスが整い、見た目にも美しい仕上がりになります。このように、油抜きは味だけでなく、見た目も美味しくしてくれる、調理の大切な工程と言えるでしょう。
油抜きの効果 | 具体的な変化 | 例 |
---|---|---|
さっぱりとした味わい | 油っぽさが抑えられ、食材本来の持ち味や香りが際立つ | 鶏肉:油抜きすることでくさみも抑えられ、味がすっきりする |
味の均一化 | 調味料が食材に浸透しやすくなり、ムラなく味が馴染む | 煮物:味がしっかりと染み込み、美味しく仕上がる |
見た目の変化 | 色が薄くなり、さっぱりとした印象になる | 揚げナス:濃い紫色から淡い紫色になり、軽やかな見た目になる |
様々な料理への応用
油抜きは、様々な料理に応用できる調理方法です。油揚げ、厚揚げ、がんもどきなど、油を多く含む食材を使う際に役立ちます。油抜きを行うことで、余分な油を取り除き、料理の味をより引き立てることができます。
例えば、きつねうどんやお稲荷さん。油揚げを熱湯で油抜きすることで、油揚げ本来の旨味を保ちつつ、だし汁が油で濁るのを防ぎます。澄んだ黄金色のだし汁に、ふっくらとした油揚げの風味が溶け込み、より一層美味しくなります。油抜きをしていない油揚げを使うと、だし汁に油が浮き、味がぼやけてしまうことがあります。
厚揚げを使った料理にも、油抜きは効果的です。煮物を作る際、油抜きした厚揚げは味が染み込みやすくなります。だし汁が油で覆われることがないので、調味料が厚揚げの内部までしっかりと浸透し、味が均一になります。油抜きしていない厚揚げは、表面に油の膜が張っているため、味が染み込みにくく、中心部が味気ない仕上がりになってしまうことがあります。炒め物に使う場合も同様に、油抜きすることで味が馴染みやすくなり、素材全体が美味しく仕上がります。
がんもどきを使った煮物やおでんも、油抜きすることで美味しさが向上します。がんもどきは、豆腐や野菜などを油で揚げた食材ですが、油抜きをすることで、だし汁が濁らず、それぞれの素材の味が際立ちます。特に、おでんのように様々な具材を一緒に煮込む料理では、油抜きが重要です。油抜きしていないがんもどきから油が出てしまうと、だし汁全体が油っぽくなり、他の具材の味にも影響が出てしまいます。
その他、炒め物や揚げ物など、様々な料理で油抜きは活躍します。油抜きは、素材の持ち味を活かしながら、料理全体の味を整えるための大切な下ごしらえです。油抜きの方法や時間は、料理の種類や好みに合わせて調整しましょう。熱湯をかける、熱湯で茹でる、電子レンジで加熱するなど、様々な方法があります。それぞれの食材に適した方法で油抜きをすることで、より美味しく、ヘルシーな料理を作ることができます。
食材 | 料理例 | 油抜きの効果 |
---|---|---|
油揚げ | きつねうどん、お稲荷さん | だし汁が濁らず、澄んだ黄金色のだし汁になる。油揚げ本来の旨味を保ち、だし汁に風味が溶け込む。 |
厚揚げ | 煮物、炒め物 | 味が染み込みやすくなり、味が均一になる。 |
がんもどき | 煮物、おでん | だし汁が濁らず、それぞれの素材の味が際立つ。 |
油抜きで健康にも配慮
油抜きは、私たちの健康に良い影響を与えてくれます。揚げ物など、油を多く使った料理はおいしいものですが、摂りすぎるのは体に負担がかかります。油抜きをすることで、余分な油を取り除き、カロリーを抑えた食事を作ることができるので、肥満や生活習慣病の予防につながります。
油の摂りすぎは、体に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、中性脂肪やコレステロール値の上昇は、動脈硬化などを引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞といった深刻な病気につながる恐れがあります。また、油っこい食事は胃腸に負担をかけ、消化不良や胃もたれを引き起こすこともあります。さらに、過剰な油分は、肌トラブルの原因になることもあります。
油抜きは、これらの健康問題を予防する上で、手軽で効果的な方法です。例えば、揚げ物を調理する際には、しっかりと油を切ることが大切です。キッチンペーパーなどで余分な油を吸い取ったり、網に乗せて油を落とすことで、料理に含まれる油の量を大幅に減らすことができます。また、茹でたり蒸したりする調理法は、油を使わずに素材本来の味を楽しむことができるので、油抜きに最適です。
しかし、注意しなければならないのは、油を完全に排除することが健康に良いわけではないということです。油には、体にとって必要な必須脂肪酸や脂溶性ビタミンが含まれており、これらは健康維持に欠かせない栄養素です。不足すると、皮膚の乾燥や免疫力の低下などを招く可能性があります。そのため、油抜きをする際には、バランスの良い食事を心がけることが重要です。良質な油を適量摂取することで、健康的な食生活を送ることができます。例えば、青魚に多く含まれるEPAやDHA、オリーブオイルに含まれるオレイン酸などは、体に良い油として知られています。これらの油を積極的に摂り入れるようにしましょう。
毎日の食生活に油抜きを取り入れることで、健康を意識した食生活を送ることができます。ただし、油を完全に排除するのではなく、バランスの良い食事を心がけることが大切です。油の量を調整し、健康的な食習慣を身につけることで、より健康な毎日を送ることができるでしょう。
メリット | デメリット | 注意点 | 具体的な方法 |
---|---|---|---|
カロリーを抑える 肥満や生活習慣病の予防 肌トラブルの予防 |
必須脂肪酸や脂溶性ビタミンの不足 (皮膚の乾燥、免疫力の低下など) |
油を完全に排除しない バランスの良い食事を心がける 良質な油を適量摂取する |
揚げ物の油をしっかり切る 茹でる、蒸すなどの調理法 青魚、オリーブオイルなどを摂取 |